今日は、令和4年度 第26問について解説します。
高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に基づく終身建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。
② 終身建物賃貸借契約を締結する場合、公正証書によるなど書面によって行わなければならない。
③ 終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、高齢者住まい法が定めるバリアフリー化の基準を満たす必要がある。
④ 終身建物賃貸借契約では、賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することができる。
解説
終身建物賃貸借契約関する問題です。
終身建物賃貸借契約とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に基づき、高齢者が死亡するまで1代限りで居住でき、死亡したときに終了する賃貸借契約のことです。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。
×不適切です。
高齢者である借主が死亡するまで居住することができて、借主が死亡したときに終了する賃貸借契約が、終身建物賃貸借契約です。
この要件を排除してしまうと終身建物賃貸借契約ではありませんので、特約によって排除することはできません。
つまり、終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了します。(これは終身建物賃貸借契約の要件なので、特約により排除することはできません。)よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
終身建物賃貸借契約を締結する場合、公正証書によるなど書面によって行わなければならない。
〇適切です。
終身建物賃貸借契約の締結は、公正証書などの書面または電磁的記録でする必要があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
なお「公正証書でなければはならない」ということではないので、注意が必要です。
選択肢 ③
終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、高齢者住まい法が定めるバリアフリー化の基準を満たす必要がある。
〇適切です。
終身建物賃貸借契約の対象となる建物は、バリアフリー化基準に適合している必要があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
なお、具体的な基準の例としては、高齢者の身体機能に配慮した床構造や手すりの設置、広い出入口や共用廊下などがあり、一般住宅の場合は25㎡以上で、台所、水洗トイレ、風呂が必要です。
選択肢 ④
終身建物賃貸借契約では、賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することができる。
〇適切です。
終身建物賃貸借契約では、特約により、賃料の増額請求や減額請求を排除することが可能です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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